化学という学問の『立場』について〜【その2】

こんにちは、サブです。今このブログを書いていますが、とてもお腹が空いています。何か食べたいですね。気分的には、カツ丼が食べたいです。カツ丼。カツ丼、、。カツ丼!!!

とまあさておき、今回はこの記事の続きで、後編です。前回では、中世ヨーロッパの錬金術までをお話ししました。その続きからですね。

そんなこんなで錬金術は失敗に終わってしまったわけですが、この錬金術というものは、実は化学という学問を方向付けるということに非常に貢献したと考えられるのです。まず一つには、錬金術を通して様々な実験手法が開発されたということ。事実、蒸留(沸点が異なる物質を分離したいときに使います。有機実験でとてもよく使うことになりますが、とても手間のかかる手法です笑)といった、現代でもよく用いられる実験手法は、錬金術での試行錯誤によって誕生しました。二つには、様々な化合物が発見されたということ。硝酸や硫酸のような、有名な化合物は、錬金術で金を作ろうと試行錯誤する中で発見されました。以上のような点で、錬金術は化学の基礎となったと考えられますし、これによって化学は、実験学問としての性質を強く帯びることになったと考えられます(またこの頃から、「科学者」という専門的な人が誕生して古代ギリシャとは違って哲学者と自然科学とが切り離され始める、ということが始まっていた気がします。これは哲学にとっては痛手だったと思います。「万物の源」を探求するための定量的な手法を失ったわけですから、もうどうしようもなかったでしょう。)。

そんなこんなでスタートを切った化学なわけですが、ここから化学は発展の一途を辿ります。ボイルがボイルの法則を発見したり、ラボワジェが質量保存の法則を発見するなどして、化学の礎が築かれていきます。さらに、19世紀にはドルトンによって原子説が提唱されて原子の存在というものが認識され始めますし、1900年に入ってからはノーベル化学賞が設けられ、様々な重要な発見がなされていきます。代表的なものとしては、ハーバーとボッシュによる、ハーバーボッシュ法(窒素と水素からアンモニアを作る方法。一見簡単そうですが、そのままだと反応が進むスピードがとても遅く、ハーバーボッシュ法はこれを解決しました。これによって、産業革命の成功が約束されました。ちなみに、現在でもアンモニアを取り出す手法というのは開発され続けていますし、改善が望まれています。)などなどがあります。これ以降も、現代化学の基礎となっているような時事項が続々と発見されており、化学の発展は続きました。

以上を見てみると、なかなか化学というものは今もホットな分野なのだな、という思いをお持ちになるかと思います。確かに、実験的観点からは、今も進歩を続けていますし、これからも進歩するでしょう。、、、しかし、どうも私には、化学を取り巻く事態が大きく変わってきている気がしてならないのです。これから化学の道を進もうと思っている方には特に知っていただきたいです。

では一体どうなっているのでしょうか?次回は、私が化学科に入って感じたことを元に、化学という分野はどう変わってきているのか(化学だけでなく、自然科学全般に言えることかもしれません)についてお話ししていこうと思います。

ではでは〜。お腹減った