こんにちは、こたつです。この記事は、前回の記事「勉強って結局何をするの?」の続きとなります。
前回の記事では、受験勉強においてどの科目にも成り立つ、いわば総論的な話をしました。
簡単にまとめると、「勉強する」とは「知識を増やす暗記」と「経験を積むための問題演習」の繰り返しであり、科目によって求められる知識と経験の比率が異なるという話でした。
今回は英語という1つの科目に絞って、より具体的な方法をお伝えします。
次回以降、その他の科目についてもそれぞれ具体的にお話させて頂く予定です。
今後も知識と経験という分類のもとで話を進めていきたいと思っていますので、前回の記事をお読みになっていない方は先にそちらをご覧いただくと、話がよく分かると思います。
英語は知識と経験がちょうど半々
私の感覚にはなりますが、英語は知識と経験がちょうど半々くらい求められると思います。
知識としては、英単語や熟語、文法語法が挙げられます。単語なんかはとくにそうですが、知らなかったらわかりません。試験問題を前にして、その場で考えて意味を導けるようなものではないからです。
したがって、英語は暗記が重要です。こんなこと言われなくてもわかっていると感じる方がほとんどだと思いますが、暗記だけでは英語の成績は途中から伸び悩んでしまうと考えられます。
暗記だけでもある程度の点数は取れますが、共通テスト(旧センター試験)で9割を狙ったり、二次試験で貯金を作る科目にしたりするためには、暗記に加えて問題演習もしっかりする必要があります。
したがって、日頃から長文を読んだり英作の問題を解いたりして、十分な経験を積んでおきます。
やる順番としてはある程度の知識を身に着けた後に問題演習をするという順番がいいでしょう。
英語に限らずどの科目にも言えることですが、知識は問題を解くための基礎体力のような役割を果たします。なので、最低限の知識はもっている状態で問題演習をしないと、学習の効果は見込めません。
ですので、英語が一番足を引っ張る科目だという方は、まずは文法と単語を集中して覚えることから始めましょう。
ある程度点は取れるという方は、文法や単語などの暗記は続けつつ、読解や英作の練習をしていきます。
知識パートと経験パートに分けておすすめの勉強法や参考書を解説していきます。
知識パート1:文法と語法
文法と語法はNext Stageやスクランブルなどの文法・語法の四択問題集を使って勉強します。
問題集を開くと左側に虫食いの英文と選択肢があり、右側に解説が載っています。
右側は見ないようにして、ノートに答えの番号や選択肢の単語だけ書くのではなく、虫食いを埋めた文を一文全て書いていきます。
一番最初は、文を書いた後に右側の解説を読みながら進めていきます。
2周目以降も同じことを繰り返していくのですが、もう頭に入っている文法事項は右の解説は読まずにどんどん進んでいきます。
忘れている事項やちょっと引っかかる部分は解説をよく読んだり、他の文法書や辞書を参考にしたりして、しっかりと確実に理解していきます。
私の場合は、間違えた問題やちょっと理解が曖昧な文法事項には、右側の解説ページの問題番号のところに星印をつけていました。
何度もスクランブルを周回しましたので、2回以上間違えるとどんどん星が増えていくという仕組みです。
どうしても相性が悪い事柄は、最終的に星が5個ついたりしていましたね。(どんな問題かは今でも覚えています。理屈で説明できない慣用的な表現が全体的に苦手で if ever ~ に星が5個付きました)
模試の直前には星2や3の事柄を重点的に復習したり、また、星4・5のものだけ別のノートにまとめを作ったりして、エラーログを有効活用していました。
文法の勉強をするときには、単純に暗記するよりも品詞と文型を意識しながら、どうしてその形になるのかを説明することを心がけると上達が早いと思います。
他の文法事項と矛盾しない説明や自信が納得いく説明を考えて、その思考過程を覚えておくと、次周以降その文法事項を思い出しやすくなります。
そうなると、勉強をサクサク進めることができ、復習の頻度が上がってより長期的な定着が図れるようになります。
知識パート2:単語と熟語
単語と熟語は単語帳や熟語帳を使って、毎日繰り返し勉強していきます。
毎日繰り返すのが大切ですので、1日のうちにやる時間を決めてルーティーンにしてしまいましょう。
決めた時間になったら、必ず帳を開くようにしてください。
私の場合は朝と夜に30分ずつ、計1時間やっています。
私が受験生だった頃に実際に使っていた単語帳はユメタンです。ユメタンは黃・赤・青・緑とレベル別になっていて、黄ユメタンは中学生向け、赤・青・緑が高校生向けです。
正直なところ、緑は相当ハイレベルなので赤と青だけで十分だと思います。(私は大学に入ってから緑を買いました)
ユメタンは赤と青でそれぞれ10Unitずつ、1Unitが100単語なので、合計で2000単語ということになります。
私は、この2000単語で、東大入試を突破しました。
熟語帳はTOEFL800という緑色の表紙のやつを使っていました。1Weekに80個ずつ熟語が載っていて、全部でWeek10まであります。
やり方としては、単語(熟語)をみて意味が思い浮かばなかったら、日本語を見てその単語を数回唱えます。フレーズなどがついていたらこれも音読しましょう。
朝と夜に同じユニットをやり、1週間同じユニットをやり続けます。14回同じ単語や熟語を見て発音することになるので、かなりの定着率が期待できます。
赤ユメタンのUnit1、Unit2と毎週進んでいき、10まで行ったら、青ユメタンのUnit1を始めます。青ユメタンもUnit10まで行ったら、今度はTOEFL800をWeek1から始めていきます
調子よく続けていけば、7ヶ月と2周間で3冊が終わるので、3冊とも終わったら2周目に入ります。7.5ヶ月周期で高校3年間の間に4周も続ければ(30ヶ月=2年6ヶ月)、完全に頭に入っているでしょう。
2周目以降は綴りやくっつく前置詞などにも意識を配ります。発音から綴りを再現するのが難しいものもありますから、こういった単語は特に注意します。
加えて、前置詞の感覚も単語や熟語の暗記で身につけていきます。時折、辞書を引いてみるといいかもしれません。(onとかを辞書で引いてみると、膨大な意味が記載されていて驚かされます)
単語と熟語は長文や英作、リスニング、会話をするときの基礎になるものなので、特に気合を入れて毎日1時間ずつ続けていきましょう。
経験パート1:長文読解
文法と単語、熟語がしっかり頭に入っていれば、長文はある程度読めるはずです。なので、基本的には学校で与えられる長文の問題集以外に、自分でやる必要はないと考えています。
ただし、ちょっとしたコツと言うか目指すべき形があるので、その話をしようかと思います。
色々な方が言っていることですが、英文は日本語に訳さずに英語のまま理解するようにしてください。それと文は必ず左から右に(英語としての語順で)読んでください。
この2つを意識して長文を読んでいきます。これができるのとできないのとでは圧倒的に読む速度が違ってきます。
厳しい言い方かもしれませんが、従属節にカッコをつけたり、スラッシュを入れたりしているうちはまだ二流です。
従属節の入れ子構造や関係詞などの修飾先が遠くて文章が複雑過ぎる場合を除いて、長文への書き込みはポイントとなるところに線を引くくらいにとどめておきます。
長文を読む際には、英語の語順で文章を理解することが必須となります。英語脳を鍛えると言ってもいいでしょう。
教科書の文や長文問題集の文、模試などの長文の問題を読むたびに、英語のまま理解することを心がけてください。
経験を積んでいくことによって次第に読めるようになっていきます。
経験パート2:英作
英作は大きく分けて和文英訳と自由英作に別けることができます。和文英訳は与えられた日本語の文を英語に翻訳する問題で、自由英作は与えられたテーマや問題提起に対して賛成や反対などを根拠を添えて述べるという問題ですね。
個人的には自由英作のほうが圧倒的に簡単だと思っています。
理由は自由だからです。書きたいけど表現や単語がわからないという場合は、それを言わない方向に進んでいけば回避できます。
とはいえ、二次試験で和文英訳が出る場合は、諦めて訓練する必要がありますね。
おすすめの問題集は入試必携英作文です。
和文英訳でよく問われがちないくつかの表現ごとに章が別れており、各章にためになる問題が多数収録されています。
また、一つ一つの問題について複数の別解が提案されていいます。
入試必携には自由英作の問題も収録されていますので、私は作文を書いたら英語の先生に添削してもらっていました。
英作は結構長い時間をかけて上達していくものなので、焦らずコツコツと訓練していくことが重要です。
単語と熟語の学習が進んでいくに連れて、表現の幅も広がっていくことが実感できると思いますので、英作のためにも単語と熟語の勉強は毎日継続していきましょう。
経験パート3:リスニング・会話
読解や英作と違い、リスニング・会話は音声をリアルタイムにやり取りする技能が問われます。
つまり、読み書きほど考える時間が与えられないということです。
ですから理性ではなく、より直感的に英語を聞き取り、話す訓練をします。
具体的には、単語や熟語を復習する際に、字面よりも音に意識を向けます。正確な音に自信がない場合は付属のCD等を使って正しい音を仕入れましょう。
英語特有の単語と単語の間で音がつながったり消えたりする現象にも気を配り、なるべくネイティブに近い発音で話すように心がけてください。
一番いいのはネイティブスピーカーと毎日話すことですが、恐らくそれができる環境にいる人は少ないと思います。
その場合は、単語帳に載っているフレーズを何度か発音したり、文法語法の問題集を解くときに文章を発音することでも、リスニング力と会話力の向上がある程度期待できます。
例えば英作の問題集をやっているときにも発話の練習はすることができます。自分で書いた文章や解答の文章を音読しましょう。
このように、他の勉強のついでに練習するだけでも、英検レベルや入試のリスニング程度であれば十分対応できるでしょう。
リスニングと会話を練習する上で文法や語彙力が重要なのは確かですが、それよりも聴いたり話したりする訓練を毎日続けることのほうが重要です。
単語帳や熟語帳を毎日見る習慣がついている方は、今後は発音にも意識を配って毎回音を出すようにすることで、毎日の勉強に「音」を組み込むことができます。
特に会話の練習は、海外の教育現場ではmuscle memoryといって、舌の筋肉を無意識に正しく動かせるまで発話することが重要視されているようです。
理想は日本語と同じ感覚で英語を話せるようになることです。何も考えなくても日本語は話すことができますよね。
これは物心ついてからこれまでの間、ほぼ毎日日本語を発話してきたため、日本語のmuscle memoryがすでに完成しているからです。
英語についても同様のことが言えます。毎日訓練すれば、いつかは必ずスラスラと話せるようになり、同時に聞き取りも容易になるでしょう。
できるだけネイティブに近い発音で話せることを目標にして、頑張ってトレーニングを続けてみてください。
まとめ
いかがでしょうか。長々と書いていしまったので、ここでまとめておきます。
- 単語と熟語の勉強は毎日続け、1週間同じUnitを徹底して覚える
- 単語帳・熟語帳をみるときには必ず発音もしっかりやる
- 文法語法は何度も周回し、抜け漏れをなくしていく
- 長文読解と英作は問題集を解いて十分経験を積んでおく
英語の勉強は、毎日やる勉強(単熟語と発音)と定期的にやる勉強(文法語法、長文、英作)に分けることができます。
定期的にやる勉強は、1、2年生の頃は文法語法の比重を大きめの文法:長文:英作=6:2:2くらいが妥当だと思います。
3年生や浪人では長文と英作の比重を上げていきます。受ける大学の問題性向によって変えるべきだと思いますが、目安としては2:4:4くらいでいいと考えています。