長きに渡る受験勉強の果に、このようなことを考える受験生は意外と少なくないんじゃないかと考えています。
私自身、原点に立ち返りたいと思ったことが多々あります。
色々考えた末にひとつの結論に達しました。今日は私が高校三年生の時に見出した、受験勉強に関する持論を紹介します。
一応、この考えを元にして東大に受かっているので、そこそこ説得力はあるんじゃないかと思ってます。
必要なものは知識と経験の2つ
一度、原点に立ち返って考えてみましょう。そもそも、何故受験生は勉強をするのでしょうか。
答えは単純で、入試問題で1点でも多く得点して、その大学に受かるためです。
つまりは、答案用紙に正解を書くために勉強しているのだと思います。
では次に、試験時間内に問題を解いて正解を導くためにはどうすれば良いでしょうか。
私は、問題を解くために必要な力は大きく分けて2つあると考えています。
それは正しい知識と問題を解いたという経験です。
順番に説明していきます。
まず知識についてですが、これは試験中に導き出すことはできず、知っていないとどうにもならないようなことを指しています。
例えば、地理で「サンフランシスコ、パース、ケープタウンはCs気候」とか数学における微分の定義とかを、私は知識に分類しています。
対して経験とは、問題を解く時に実際にする行動のことを指しています。
物理では、単純な知識を問われることはほぼありません。覚えるべき公式はいくつかありますが、重要となるのはそれら公式の運用法です。
つまり、小問を順番に解いていく中で、どの問題に対してどの公式を使うのかをきちんとわかっている必要があります。
これは、「〇〇を聞かれているときには✕✕」という感じの呪文をたくさん覚えればいいというわけではありません。
暗記でゴリ押してもいずれ限界が来るので、公式の意味を理解して、使うタイミングとかは感覚として身につけるほうが遥かに得策だと思います。
問題を解くときに必要な力は、知識と経験だと述べましたが、逆に言うと問題が解けなかったときにはそれらのどちらか、あるいは両方が不足していたからだということになります。
間違えた問題について、どちらが足りなかったのかを考えてみるといいでしょう。たいていは必要な知識を知らなかったか、解く方法を知らなかった、または忘れていたということで説明がつくはずです。
知識を増すには暗記、経験を積むには演習
知識と経験が必要という話は納得いただけたでしょうか。
それに立脚すると、勉強とは何かという疑問に対しては、知識を増すことと経験を積むことだという答えが考えられます。
そして、知識を増すためには暗記をし、経験を積むためには問題演習をします。
これら2つの作業をすることが、勉強するという動詞の意味だと私は思います。
ここで、真面目な受験生の一部が悩む疑問「勉強とは何か」という問いに対して、それは暗記と問題演習をすることだとはっきりと答えておきましょう。
英単語や古文単語は考えてわかるものではありませんから覚えておく必要があります。したがって、これは暗記です。
一方、物理で「2つの球が衝突する問題では運動量保存則と反発係数の式を連立して解く」というのを30回唱えて覚えたとしても、恐らくその問題は解けないでしょう。これは、一度問題を解いてみてやり方を経験として学んでおく必要があります。まさに「習うより慣れよ」です。
言われてみれば当たり前のことですが、暗記と問題演習の違い(=知識と経験の違い)を改めて認識した結果、自分が今やっている勉強がどっちなのかをはっきり自覚することができるようになったと思います。
これで勉強の効率が劇的に上がるわけではありませんが、少なくとも勉強ってなんだろうというモヤモヤがなくなった分、モチベーションは上がったのではないでしょうか。
科目によって知識と経験の比率が異なる
全ての科目で知識と経験の両方を身につけること、すなわち、暗記と問題演習のどちらもしっかりこなすことは重要です。
しかし、明らかに知識寄りな科目と経験寄りな科目が存在します。
地理歴史や古文漢文など、知識の比重が大きめな科目と、数学や現代文、物理のように経験がより重要視されている科目があります。
英語や化学はだいたい半々くらいかなと私は考えています。
このあたりは個人の主観的な感覚であり、また受ける大学の入試問題の性向にもよると思いますが、どちらがより求められるかを知っておくことは大事です。
科目が知識寄りか経験寄りかにによって、自分の勉強でもどちらに重きを置くかを変える必要があるからです。
例えば、漢文の句法の知識が不足しているなと感じたら、無闇矢鱈に過去問をとき続けるより、一度演習の手を止めて参考書(新明説漢文など)の句法の部分を読んで数回唱えるなどの暗記を挟んだほうが効率がいいでしょう。
まとめ
今回は、問題が解けないのは知識か経験かのどちらか(ときには両方)が不足しているということをお話し、勉強は暗記と問題演習に帰着できるということを説明しました。
定期試験や模試の後に、解けなかった問題はなぜ解けなかったのかを考えると次に勉強でするべきことが自ずと決まってくると思います。
また、科目によって知識か経験か、どちらがより求められるかが違うということを説明しました。
このことも踏まえた上で、受験勉強をする際の指針の1つとしていただければ幸いです。
次回以降の記事では、私が入試で使った科目の国語・数学・英語・物理・化学・地理のそれぞれについて、各科目の特徴と私が実際にやっていたこと、おすすめの問題集などを解説していきます。
それではまた。