こんにちは、こたつです。
私が受験生だった頃の体験談をベースに、各科目の勉強法やおすすめの参考書・問題集をご紹介するシリーズの第2回目となります。
今回は数学の勉強法がテーマです。
第1回の英語に引き続き、勉強とは知識と経験を増すことだという話を前提としています。なんのことやらという方は、先にこちらの記事をご覧ください。
数学は案外泥臭い科目
まずは科目の知識・経験比率の話から始めましょう。
数学の問題を解くには知識が5%、経験が95%くらい要求されます。
「知識を増すには暗記、経験を積むには問題演習」という言葉を覚えていますでしょうか。確かに、数学は暗記をしているイメージがありませんよね。
それでは、覚えていないとしょうがない5%の知識とはどういうものでしょうか。これは主に用語や概念の定義などです。
三角関数の定義(かつてこれをそのまま書くという問題が東京大学の入試で出題されました)や微分の定義式などは、導くものではないので正確に覚えていないといけません。
また、原理的には覚えなくても導けるが、頻繁に使うし、証明にも時間がかかるので、覚えていないと試験時間的に都合が悪いような定理や公式(例えば三角関数の加法定理など)も私は知識に分類しています。
他にも、logxの不定積分のxlogx-x+Cなども知識として暗記しているため、この積分が出てきたら部分積分をせずに一発で書くことができます。もちろん、部分積分をして導いたことがあるという前提で、暗記しています。
一方、その他の大部分の内容は経験として覚えます。
例えばある点のある直線に対して対象な点を求める問題では、①その点と対象点を結ぶ線分と与えられた直線が直交する、②与えられた点と直線の距離と対象点と直線の距離が等しいの2つの条件を連立してときます。
これは、知識として暗記するのではなく、この方法で問題を解いたことがあるという経験として習得するべきです。
上の2つの条件をぶつぶつ唱えて覚えたとしても、恐らく問題は解けないでしょう。
実際に自分自身で上の方法を使って何度か対象な点を求めてみて、感覚を掴む=経験を積むことのほうがはるかに役に立ちます。
経験を積むには問題演習という原点に立ち返ると、数学であれだけ問題集を解かされていた理由がわかると思います。
おすすめの問題集は超有名なチャート式です。恐らく学校で一律買わされたのではないかと思います。
多くの高校で黄チャートか青チャートが渡されていると思いますが、渡された色を使っていて問題ありません。
私の高校では黄チャートを使っていました。チャート以外のいわゆる網羅型の問題集をこなすのでも大丈夫です。大体カバーしている問題は一緒ですので、手元にあるもので勉強してください。
網羅型の問題集はその問題集に載っている問題については見た瞬間に解法が思い浮かぶくらいまで周回することをおすすめします。
先程例に上げた直線に対して与えられた点の対象な点を求める問題では、問題を見た瞬間に例の2つの条件を連立したくなるようになってこれば、いい感じに仕上がってきた証拠です。
網羅型問題集では、もっと難しい入試問題についても応用が利くような、基礎的な解法が一通りカバーされています。
まずは、これらの解法を利き手に染み付かせるところから始めましょう。
載っている問題を全て経験しようとすると、膨大な時間がかかります。加えて、人は忘れる生き物なので、一度解いたことのある問題でも解けなかったり、時には解いたことすら忘れていることがあるでしょう。
何周も何周も解いて、こういった抜け漏れを埋めていく作業は結構泥臭いものです。
しかし、一度それが達成されたら初見の問題に関しても迷わず解き進むことができる応用力が身についているはずです。
わからないときには教科書に立ち返る
チャートを解いたり模試受けたりする中、継続して得点率が低い苦手な分野が見つかったときには、一旦教科書を読むことをおすすめします。
教科書には用語の定義や定理・公式の証明などが載っています。書かれている日本語を一文一文理解しながら、決して飛ばさずに読みすすめるのは、良い復習になります。
また、教科書に載っている例題や練習問題、章末問題を侮ってはいけません。これらの問題は単に定理や公式を適用するだけのものも多いですが、そういった計算の経験を積むことが難しい問題をとく第一歩になります。
教科書を使って復習するときに大事なのは、決して飛ばさないことです。ななめ読みなどはもってのほかです。
教科書で復習するようなときには、恐らく何がわからないのかわからないという状況である場合が多いのですが、そのようなときにここは分かるからといって読み飛ばしてしまうと、実際にはわかっていない箇所を飛ばしてしまう可能性があります。
ですから、徹底的に自分の抜け漏れを探すつもりで、一文一文確実に理解しながら進んでいきます。
数IAの教科書であっても、しっかり読んでいくと意外とたくさん新しいことが学べると思います。
進んだ内容は模試や過去問演習で
教科書な内容は完全に理解し、チャートの問題は大体解き尽くしたという方は、次は難関大学の過去問で鍛えて行きましょう。
自分が目指している大学の過去問を解くことは、モチベーションの維持にも役立ちます。
赤本の「東大の数学25カ年」などがおすすめです。普通の東大の赤本には7年分の問題しか載っていませんが、主要な大学に関しては科目毎によりたくさんの問題を集めた赤本が出ています。(調べたら2020年に東大の数学27カ年が出ていましたね)
大学の過去問もひたすら愚直に解き進めていきます。何度も申し上げますが、数学は経験がほとんどです。つまり、問題が解けるか解けないかはやったことがあるかないかで決まるということです。
入試当日までにより多くの問題を解き、解法をたくさん理解している=より多くの経験を積んだ受験生が得点していくのです。
良問が揃った問題集として特におすすめするのが、大学への数学シリーズの増刊号「合否を分けたこの一題」です。
その年の入試問題の大問セットを簡単な順にしたときに、合格者は解けて不合格者は解けなかった狭間の問題が丁寧かつ考えを活性化させてくれる解説とともに収録されています。
網羅型問題集を解き終えた直後は、皆さんの経験の度合いは合格者と不合格者の間にあると思います。
合否の分かれ目となる問題を解くことで、チャートだけではカバーしきれない程度に難しく、かつ合格者でも解けないほど難しくはなく、丁度いい難易度帯の問題を経験することができます。
私の高校時代の数学の先生がこれを使って演習をしてくださいました。おかげで、無事現役で東大に合格することができました。
「合否を分けたこの一題」は非常におすすめです。
過去問演習以外にも、模試の問題も程よい難易度のものが多くておすすめです。模試の過去問まで解く必要はないとは思いますが、全統と駿台模試くらいは全部受けることをおすすめします。
また、自分が目指している大学の特化型模試(東大オープンなど)も受けておくといいでしょう。
模試を受けたら必ず配られた解答と参照して、復習をしてください。私は解けた問題も解けなかった問題ももう一回解き直していました。
試験時間中より時間に余裕があるため、試験中には採用しなかった方針を吟味することもできるので、とてもいい勉強になります。
まとめ
数学の入試問題を解くのに天才的なひらめきは必要ありません。
私は数学の問題を比較的よく解けていた方ですが、それはなぜかと言うと似たような問題を解いたことがあるからなんです。
たまに今までにやったことがない発想を要求されることがありますが、そういった場合でもチャートの問題をしっかりやっていれば、試すべき方針が見えてきます。
とにかくたくさんの問題を経験することが数学で得点するための秘訣です。
チャートなどの網羅型問題集に載っている問題をあら方解けるようになった後は、過去問や模試の問題を通して、よりたくさんの経験を積んでいきます。
特に、大数の「合否を分けたこの一題」は非常におすすめです。(大数からは何ももらってません笑)