金利についてざっくり知りたい【第3回】

こんにちは。この記事は「金利についてざっくり知りたい」の最終回となります。

このシリーズは、金融初心者の私が投資に関する経済ニュースを読むときに、必要知識が足りてないなと思って勉強した知識を共有するものになります。

第1回と第2回では金利が変動する理由について解説しましたが、最終回の今回は、いよいよ金利と為替・株価の関係についてお話させていただきます。

経済ニュースを解釈したり、投資での意思決定をしたりするときに役に立つ、実践的な内容となっております。

第1回と第2回での知識は必須ではありませんが、知っていると今回の話もより理解が深まると思いますので、よろしければ先に以下のページをご覧ください。

売買する人の動きを考える

株価はその株式の需要と供給のバランスで決まります。買いたい人が多ければ株価は上がり、売りたい人が多ければ株価は下がります。

そこで、株価の動きを考えるときには、金利が変化したときに世の中の人たちがどういった行動をするだろうかと考えると、その結果何が起こるのか自ずと分かるようになります。

当然のことですが、需要と供給は人数ではなく株式の口数なので、大きなお金を持っている人の行動がより大きな影響を価格に及ぼします

投資信託や保険会社は莫大な資金を集めて運用しており、そういった組織のことを機関投資家と呼びます。

機関投資家がある銘柄を購入したり、反対に保有している銘柄を売却したりしたことによって、その銘柄の株価が大きく変動することは多々あります。

したがって、マーケット全体の動きを理解するときには、機関投資家がどのような行動をとるだろうかと考えると分かりやすいです。

とはいえ、機関投資家だからといって何か特別な行動原理があるわけではありません。多くの個人投資家よりも投資に時間を割いており、情報が入ったらすぐに行動できるといった程度でしょう。

私達がチャートを見る頃には、すでに機関投資家が行動した後になります。つまり、機関投資家達の思惑が反映され終わった後の価格を見ているのです。

金利と株価には負の相関がある

金利と株価は天秤関係にある表現されるように、金利が上がれば株価が下がり、金利が下がれば株価は上がるという一般的な関係があります。これを、負の相関があるといいます。

なぜこのような関係なるのか、金利が上がったときの投資家達の気持ちを考えてみましょう。

前提として、株の方が債権よりハイリスクハイリターンであることを抑えておきましょう。そのため、合理的な判断をする投資家たちは資金を全て株に突っ込むのでは無く、債権も保有してリスクを減らそうとします。(私はまだ運用資金が少ないので、株式にフルベットしています。最悪失ってもどうにかなる額で運用しているからです)

自分が取れるリスクの範囲内でできるだけ高いリターンを得るために、世界の投資家の多くは株と債権を含む様々な資産を保有して、定期的にリバランシング(保有割合調整)を行います。

ここでは簡単に株と債権だけを売買するとしましょう。

その投資家がどのくらいのリスク・リターンを望んでいるかによりますが、確実なのは、金利が上がっている状況では、保有している株を一部売却して債権を購入する層が出てくるということです。

もちろん、市場参加者全員が同じ行動を取るわけではありませんが、機関投資家を初めとする大口投資家がこういった行動をとるため、株価は下がり債券価格は上がるということになります。

反対に金利が下がると、債権から株に資金を移す層が現れるため、債権価格が下がり株価が上がります。

金利が上下したときの株価の話をしましたが、別の理由で株価が直接的に上下したときも話は同じです。

株価が上がり始めると、より大きなリターンを期待して債券から株式に資金を移す人が一定数現れますし、反対に株価が下がるとより安全な債券に組み替える層が現れるというわけです。

結果、株価と債券価格は互いに天秤の両側のように、一方が上がったらもう一方は下がり、一方が下がったらもう一方が上がるという関係になっています。

為替と金利の関係

金利は各国によって異なります。景気が好調で設備投資に積極的な企業の多い国では、金利は高くなり、反対に不況の国では金利は低くなります。

為替と金利の関係は株価より簡単です。金利が高い国の通貨が高くなることを抑えておきましょう。

簡単にアメリカと日本で金利が異なる状況を考えてみましょう。

日本よりアメリカでの金利が高い場合、世界の投資家は円建ての日本債を売却し、ドルに両替してドル建ての米国債を購入しようとします。

これも、全員がそうするということではなく、そういう行動をとる投資家が一定割合現れるということです。

円をドルに交換したい人が多くなると、円の需要が下がりドルの需要が上がることになりますから、ドル円のチャートは上へ(ドル高へ)向かいます。

反対に日本の金利が高い時には、徐々に円高方向へ動いていきます。

まとめ

投資をする際に覚えておきたいルールを2つご紹介しました。

  • 金利と株価は天秤の関係にある。
  • 金利が高い国の通貨が高くなる。

現実のマーケットは様々な要因を考慮しなければいけないので、細かい値動きまでは予想できませんが、少なくとも数ヶ月単位の変動に関してはかなり合理的に解釈することができると思います。

私はよく、ドル建てで米国株ETFなどを購入します。外国通貨建てで資産を保有していると、為替の動きが気になりますよね。

上の2つのルールを知ったからといって、急に投資成績が向上するようなことはありませんが、値動きと経済ニュースを見比べてマーケットの状況をある程度、自分の言葉で説明することができるようになったなと感じています。

値が動いた理由を知っているのと知らないのとでは安心感が違いますね。

これからも投資に関連した経済・金融の勉強を続けていき、記事にもさせていただきますのでご興味があればまた当サイトにお越し下さい。