こんにちは、たまけんです。
私が実際に大学入試で使用した各科目の勉強法をご紹介するシリーズの第三回となります。
第三回の今回は、国語です。
私の通っている東京大学の入試では共通テストの国語はもちろんのこと、たとえ理系であっても二次試験にも国語があります。
理系ですので、正直国語は稼ぐ科目ではありませんでしたが、理系の理系のための理系による国語の勉強法の紹介という体で進めていきたいと思います。
国語は大きく現代文と古典に別れています。この記事でも分けて解説します。
現代文は経験99:知識1
まず始めに現代文という科目の性質について分析しましょう。
基本的には長い文章を読んで、時折引かれている傍線部に関して、「〇〇とあるがこれはどういうことか」や「〇〇とあるがそれはなぜか」という問題に答えていくという科目です。
言い換えや理由を答えればよいのですが、これらの答えは全て長文中にありますから、そのまま書き写せばいいのです。
習得すべき能力の第一段階はオウム返しです。問われている言い換えや理由に対して、文章で読んだものをそのまま答えればいいのです。一言二言でオウム返しができるようになったら次のステップに進みます。
第二段階では本文中に出てくる情報をできるだけたくさん拾って修飾語として解答に含めるような訓練をします。
解答の文章を書く上で、拾うべき情報と捨てても構わない情報をうまく選ぶ必要があります。ここで大事な原則を1つ言っておくなら、捨てるか拾うか迷ったら拾うということを伝えておきます。
現代文の試験の採点基準は、解答にこの情報が入っていたら〇〇点、この情報は〇〇点という風に成っており、本文中で全く述べられていないことを書かない限り情報が多いことは減点対象とはならないようです。
部分点が設定されている情報のことを解答要素と呼び、自分の解答が字数制限より極端に短い場合は解答要素が足りていないことを疑うべきです。
最終段階では字数制限を加味しながら、含めるべき情報をうまいこと文章に組み立てる練習をします。本文中では二文になっていた情報を、片方の述語を修飾語として組み込んでよりコンパクトにするなど、ある程度自分で文章を構成することが要求されます。
ここまでで求められている能力は、日本語で書かれた長文を読んで問題で聞かれていることをオウム返しで答える能力と、付属の情報を足した上でコンパクトな文章にする能力です。
日本で義務教育を受けたのならば、日本語の文章を読んで日本語で答えることはできるはずなので、現代文の問題を解くために新しく何かを覚える必要はありません。
したがって、現代文の勉強はひたすら答案を書く練習をするに尽きます。
現代文で問われる知識を強いて挙げるなら、ちょっと難しい熟語や聞き慣れないカタカナ英語、あと漢字くらいでしょうか。
熟語やカタカナ語に関しては長文を読んでいて知らない単語が出てきたらその都度Google検索する程度でいいでしょう。
漢字は二次試験でたくさん聞かれるなら、書き取りの練習をしておくのがいいでしょう。
正直な話、私は漢字は捨てていました。旧センター試験の問題では意味を考えれば、漢字そのものを書けなくても答えられる問題しか出題されませんでしたし、二次試験でも三問しか出題されないので、学習時間に対してリターンが少ないと感じたからです。
結論としては、現代文の勉強はほとんど答案を書く練習をするということになります。
この練習をする上でおすすめの参考書は、河合が出している得点奪取シリーズの現代文の問題集です。
上で述べたような解答要素を意識させるような解説がなされており、また正答や部分正答の解答を比較して解説しているので、答案作成の具体的な方法がわかります。
現代文の答案作成は一度コツを掴んでしまえば飛躍的に伸びていくので、これまで現代文に苦手意識のあった方ほど、伸びしろを一気に埋めるチャンスがあると私は考えています。
古典は知識7割:経験3割
現代文とはうってかわって、古典では知識がより大きな割合を占めます。
古文においても漢文においても、覚えなければならない文法や単語、句法、用字などがたくさんあります。
できれば英単語のように、毎日知識を上塗りしていくのがいいのですが、多くの理系の受験生は古典をやるくらいなら数学や理科に時間を回したほうがいいと感じるでしょう。私も受験生の頃はそういう風に思っていました。
ですので、英単熟語のように毎日朝晩に時間をとるというより、学校の休み時間や通学・移動のなどのいわゆる隙間時間にちょこちょこ進めていって、見る回数を増やすのがいいと思います。
古文単語はオーソドックスに古文単語帳で勉強しましょう。暇ができたら単語帳を眺めて、古文を読んで意味が理解できるくらいまで刷り込ませていきます。英語と同じように、現代語に訳さずとも古語のまま理解できるようになるのを目指しましょう。
文法は解析古典文法という本を使っていました。解析古典文法には入試で必要となる文法知識が全て詰まっています。文法の説明や用言の活用の表などの他に練習問題もたくさん載っていますので、定期的にまとめて解き進めておきましょう。
解析古典文法も載っている全ての問題を三周は解くことをおすすめします。
漢文の句法・用字は新明説漢文が非常に有用です。基本的な古代中国語の文法から始まり、入試で問われがちな句法、長文を読みすすめる上で知らないとちょっと大変な用字の順に全ての知識をカバーしています。
古文単語と同じように隙間時間に眺めて、とにかく復習の回数を増やします。句法と用字を覚える際は、古代中国語の文法(主に語順)を意識すると、そのうち返り点がなくても正しい順番で読めるようになります。
と言うより、二次試験で一部白文に傍線が引かれて、これを正しく書き下しなさいという問題が出るので、句法と用字を覚える際は返り点と送り仮名についてもある程度気を配っておく必要がありますね。
結論は古典は知識の割合が高く、古文単語と漢文については隙間時間に眺めてインプットの回数を増やし、古文文法は解析古典文法の問題を解きながら覚えていくのがいいということになります。
3割の経験は学校で配られる問題集や模試の本番と復習(解き直し)とかで、正直十分だと思います(理系の場合)。二次で古典を使わないのであれば、むしろ共通テストの形式で問題をたくさん解くのがいいでしょう。
東大のように理系でも二次で古典を使い、かつある程度点はとっておきたい(他の科目の貯金が乏しい)場合は例のごとく得手奪取の古文・漢文がおすすめです。
現代文と同じように、解答要素の拾いかたを意識した解説になっていて、部分点のみの解答にたいしてどうすればよかったのかなどが記載されていますので、経験を積むには一番効率いい問題集だと思います。
まとめ
現代文はほとんど経験の差で勝負がつきます。解答要素を全て盛り込んでかつ字数制限を満たした解答をかけるまでひたすら練習あるのみです。おすすめの問題集は得点奪取です。
現代文ではたまに知らない熟語や外来語、漢字の書き取りなど、極一部で知識が問われますので必要に応じて暗記はやりましょう。
古文漢文は7割方が知識で解決します。古典にあまり多くの勉強時間をさけない理系の受験生は、隙間時間や息抜きに古文単語帳や新明説漢文を眺めて見る回数を増やします。
古文の方でも得点奪取は経験を積むのにおすすめです。
理系の受験生は国語にはできるだけ時間をかけずに、それでいて人並み程度にはできるというのを目標にしてテキパキこなしていきましょう。